TOP>E-NEWS>平成16年7月1日号 |
電子認証をめぐる現状と課題 4 |
|
購入時の4つの注意 存在しない「統一」証明書 | |
≪見極める知識が必要≫ | |
行政手続きの電子化に伴って、電子認証、つまりネット上で本人であることを証明する電子証明書も次第に普及しつつある。また、電子証明書を発行する民間の認証局も増えつつある。政府によって認定された特定認証業務を行う認証局の数も二十(平成十六年四月七日現在)に達している。一般認証まで含めると、この数倍にもなるであろう。 利用者側にとって、一体どこの認証局からどの証明書を購入し、どんな場面で利用できるのか見極める知識が必要になる。電子証明書の購入に際しては、およそ次の四つくらいの視点から、購入すべき証明書を見極めなければならない。
| |
≪ニーズに応じ適切な助言を≫ | |
同じ電子入札であっても、東京都、埼玉県、大阪府、岡山県では、それぞれ違う電子証明書が必要になる。稼動している入札アプリケーションもそれぞれ別のものである。このような現象は他の行政手続きにおいても起こっている。 例えば、国税庁が行っている電子納税申告で実態を見てみよう。国税庁のホームページによると、四月七日現在において利用できる電子証明書は五種類だけである。 このうち税理士の電子証明書は一般の人は利用できないので、事実上利用可能なのは四種類。また、登記所の証明書は取得が法人の代表者に限られるため、それ以外の人は三種類となる。さらに日本商工会議所を含めた二種類は電子入札コアシステム用の証明書である。 コアシステム用の証明書は現在八つの認証局が発行しているにもかかわらず、このうち二種類だけしか使えないのはどうしてであろうか。一般のユーザーには到底理解できないであろう。 同じような現象は、融資制度にも存在する。国や自治体の制度融資は相当の種類があり、利用者が資金用途に応じてもっとも適切な制度はどれかを判断するのは困難である。従って、多くの場合は商工会議所などと相談して、ニーズに応じた制度を紹介してもらったり、斡旋してもらったりしている。 電子証明書についても同じようなことになるものと思われる。こうしたニーズにこたえることも、商工会議所に求められる新しいサービスになってくるであろう。 |
|
(高野時秀・日商情報化推進部長) | |
前ページへ |