TOPE-NEWS平成16年12月1日号

情報化支援アドバイザーの独り言…



「Windws XP SP2の全貌」 第3回


Internet Explorer/Outlook Express !!


 Windows XP SP2では、Windows標準のWebブラウザ「Internet Explorer(IE)」と電子メール・ソフト「Outlook Express(OE)」が備える数多くの機能が、デフォルトで利用不可能になりました。このことでセキュリティは大幅に強化されたが、同時に数多くのWebアプリケーションが動作しなくなるという現象を引き起こしています。

 IEはXP SP2で「Internet Explorer 6 Service Pack 2」となりました。このIE6 SP2では以下のような禁止/警告事項が加わっています。

(1)ActiveXコントロールを使ったアドオンのインストールの禁止。
(2)スクリプトによるウィンドウのポップアップ表示の禁止。
(3)スクリプトよるファイルの自動ダウンロード禁止。
(4)ローカル・コンピューター上でのスクリプトの実行禁止。
(5)セキュリティ設定上実行を禁止しているにもかかわらずActiveXコントロールを実行しようとしたときの警告。

 ユーザーが(1)〜(5)に反する行為をしようとした場合、IEに新しく加わった「情報バー」というバーがアドレス・バーの下の領域に警告が表示されます。ここから「許可」をクリックしない限り、各事項は原則禁止されます。

 ユーザーに大きな影響を与えそうなのは(2)と(4)の事項だと思われます。(2)は自動的にポップアップが表示されるのを禁止します。こらは、匿名掲示板などでURLをうっかりクリックすると、無数のウィンドウが開いてパソコンがフリーズしてしまうことがあります。こらは「ブラウザークラッシャー」といわれる攻撃です。ポップアップ広告がうんざりするほど開くのもよく聞く話です。これらを回避する機能です。一方で、Webサイトには必要なウィンドウが遮断されます。例えば、オンライン・バンキングのWebサイトの中には、IDやパスワードを入れさせる画面をポップアップで表示させることがあります。こういうサイトを利用するためには、ユーザー自身がサイトでのポップアップを許可するように設定を変更する必要が生じてきます。

ヘルプ画面にも影響!!

 (4)はローカルのハードディスクやCD-ROMに保存されたHTMLファイルをIEで開こうとした場合に、スクリプトの実行を禁止するという機能です。この制限によって、機能が使えなくなるアプリケーションも出てきます。HTML形式メニューを使用している雑誌の付録CD-ROMやソフトのヘルプ画面が正常に動かない場合があります。



 このほかIEには、「ステータス・バー」を必ず表示するという変更が加わっています。ステータス・バーはIEの最下部の領域で、ここには現在接続しているサイトがインターネット/イントラネットのどちらにあるか、信頼できるサイトなのか制限サイトなのか、通信がSSLで暗号化されているのかがアイコンで表示されるようになっています。
 これまでは、スクリプトによってステータス・バーを表示せずにウィンドウを開くことが可能だったが、XP PS2では不可能になりました。これによってユーザーは、現在閲覧しているページのセキュリティ状態を常時確認できるようになりました。

 アドオンのインストール制限とポップアップ・ブロックに関する設定では、IEの「ツール」メニューから「アドオンの管理」や「ポップアップ ブロック」を選択すると、これまでインストールされたアドオンの有効/無効や、ポップアップを許可したURLの再編集などが可能です。




佐賀商工会議所・情報化支援アドバイザー
松 隈 清 志